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2023年度ヘッダーキャラクター マジロギ

マジロギ Magilogi Sprintest

 



フルネームは「マジロギ・スプリンテスト」

世界の最先端技術を開発しているサティリーチ先鋭都市の富裕層が多い埋立地・スウィムリングランド街出身。

現在は若者の街・ポプカル街で一人暮らししながらバーでアルバイトをする学生。

父親の影響で幼い頃から始めた手品もアルバイト先で披露している。

元々目が見えなかったが、残像精霊であるエコーナとセリーダと契約を結ぶことで視力を回復し、残像を操る異能を手に入れた。

夜のポプカル街の繁華街が危険であることから、自衛目的でパルクールを趣味とし、犯罪を未然に防ぐパトロールもしている。

将来は冒険家を志している。

 

エコーナ Eikona

 

陽性残像精霊と呼ばれている。

マジロギとの契約により右目に住んでおり、入ってくる光を食べて生きている。

人間の視界に映る像を光で記憶に刻む能力を持つ。

行動力が高く、マジロギと一緒によく問題を起こす。

 

セリーダ Selida

陰性残像精霊と呼ばれている。

マジロギとの契約により左目に住んでおり、入ってくる光を食べて生きている。

人間の視界に刻まれた像とは真逆の色の光で視界を更新する能力を持つ。

冷淡で文句ばかりだが、調子に乗りすぎるエコーナとマジロギの尻拭いをする。

 

ラフ

マジロギ・スプリンテスト

 

エコーナ

 

セリーダ



 

登場作品

2023年度ヘッダー

テーマ:「ストロボムーブ」

すべてを救えるヒーローにならなくていい!!

「自分」を1人でも多くの人に認められる生き方をする。

そのために、神アプデと言われるまで変わり続ける!!

 

全く同じものを完全再現することは難しい。

記録を残そうと人類は、最初に「写真」次は「録音」、ついに動画と来た。

一秒に30枚分しか残せなかったのが60枚120枚……と着実に増えている。

 

それでも記録は、限度があるから

撮れなかった部分は人間が瞬きして目を閉じる瞬間と同じ。

 

そう、人間には「寿命」という限度がある。

だから、「何を残して、何を捨てるか」選択を迫られる。

何をするにも「時間」が要る静止画一枚分では何もできない。

自分の夢をかなえるのに静止画何枚分になるのだろうか……

光が途絶えてしまう前に……

 

 

最初こそ目が見えない人生だったのが、

才色兼備で順風満帆な人生に逆転したマジロギにも困難が訪れる。

バイト先での営業中、SNSの配信問わず手品を披露していたので

すっかり有名人になっていた。

 

どこかで良くないと思うアンチが

「異能でインチキをしている」と、証拠写真を載せつつ

SNSで拡散した。

 

マジロギは確かに心当たりがあり、

忙しくなりすぎてリアルイベントでのパフォーマンスは

異能を使って誤魔化すこともあり

撮影禁止にしていたが、

ルールを破って盗撮した者がマジロギの弱点を明らかにした。

 

この騒動を受けたマジロギは

他にやりたかったことを思い出す。

 

「元々、犯人から逃げるためにパルクール覚えたのに、

いつの間にかヒーローになるためにこのパルクールを利用していたわ。

 

なら、違う場所でもヒーローになればいいじゃない。

世界中を救えばサティリーチのみんなの心も変わるはず。

 

今のこんな騒動どうってことないわ。

ーーー『冒険家』になるなら今がチャンスね。」

 

と、SNSアカウントを消去すると同時に

引退宣言で思いやインチキしていたタネを打ち明けることにした。

 

引退宣言当日 ポプカル街繁華街エリア付近の公園

 

マジロギのデバイスを構えた

バイト先の後輩・『フェジーナ・シェイカーハンズ』が

心配な面持ちでマジロギの語りをカメラ越しで見ている。

 

エコーナとセリーダと出会ったことで、

目が見えるようになって両親の負担が減ったことから始まり、

 

彼女自身が実家が金持ちであっても、

自分でライフスタイルを選ぶ自由な生活の方が楽しいということ、

 

有名人になるまで手品は独学で学んだこと、

努力が実を結んで多くの人が認めてくれたことによる感動、

 

異能でイリュージョンを体感しながら手品披露できるライブを考案してみたが、

異能を使うことで信用度が想像以上に下がったことによる挫折、

挫折で気づいた新たな発見により「冒険家」を志したこと

 

を語るとシェイカーハンズに話しかける。

 

「ここで真相と引退会見は終了します。最後に視聴者には見えないのですが、

異能を使って私の過去をシェイカー君に見せようと思います」

 

「噓つきは泥棒の始まりーー」

と呟いたマジロギが突然階段の手すりから滑り降りると、

左手で握って軸脚とは対となる右脚から飛び越えた。

 

パルクールの技「シーフヴォルト(泥棒の跳躍)」だった。

 

「マジ姉……本当にインチキしてたなんて……」

 

あまりの驚愕にシェイカーハンズの手から

マジロギのデバイスが滑り落ちていた。

 

「配信終わってないよシェイカー君!!」

 

先に飛び越えた右脚を使ってデバイスを真上に弾き、

空いた右手で掴むとシェイカーハンズのもとに駆け付けては

肩を抱いて一緒にカメラに映った。

 

「あーあ、シェイカー君にも嫌われちゃった。

次ここに帰ってきたら君だけでも笑顔にしたいな。

いままでありがとうございました」

 

撮影を切ると、まるでスイッチが切れたかのように

マジロギは素に戻った。

 

「私は好奇心がすごくて、どんなに絶望的な状況でも

自分が笑顔になれる部分を探すからすごい振り回しちゃったかも……」

 

マジロギの笑顔の中に一粒の光が見えた気がした。

 

「ま、マジ姉……嘘つくのは漢じゃねぇけど、

マジ姉がそうやって『笑顔になれる部分』を見つけくれたから

着いてきてたくさん楽しい思い出を作れたんだ……俺……」

 

そもそも私たち『男』じゃないしと

いつもの冗談を交えながら潤んだ真剣な眼差しでシェイカーハンズの話を聞く。

 

「ーー俺、マジ姉が帰ってくるまで強いヒーローになります」

 

「あ、初めて私に敬語使った!!少しは大人になったじゃない」

「もーマジ姉!!前言撤回だ!!帰ってきても無視してやる!!」

 

これで心おきなくサティリーチを離れられる

と口を歪ませながら

止まないシェイカーハンズの怒号を後にした。